バッキバキの二日目
指や腕、いや全身が筋肉痛の翌朝。
宿を後にする。
前日同様に作業開始前の珈琲をご馳走になりながら素晴らしい作品を見せて頂く。
素敵なチップが施されたとても美しい木皿だった。
今夜の夕食はこの皿に鰹の刺身を乗せることになるだろう、と井丸さん。
奥様は首を横に振られていたが、当夜、食卓にこの器と鰹は並んだのであろうか。
そして本日の授業開始。
本日の課題は、昨日のものより口径の大きめなボウルを挽くこと。
昨日の復習も含め、気取りから外形形成、轆轤へのセットまでを滞りなく進める。
使用材は桜なのだが、香りから削り心地から全てをとって最高。
黙々と挽き進めて10時の休憩となる。
昨日同様に、井丸さんの話の節々からの学びも然り、お宝級の品々を実際に手に取って見させて頂けたこと、
細胞レベルで漏れなく吸収する。
美しくて息を呑んだロビンさんのボウル。
それからまたひたすら轆轤を回し続け、昼飯もコンビニでチャチャと済ませる。
木地の一部に鬆が入った部分があり、それを削ぐように彫り進めるよう指導頂くが、
中々狙ったようにはいかず、結果的に出来上がったボウルの一部は鬆の部分が残ったままになってしまった。
結局、夕方頃まで掛かり、昨日のものより一回り大きいボウルが完成。
良くも悪くも、まるで菓子鉢のような仕上がりだ。
今回は一本のフックのみを用いて殆どの工程を終えたが、本来は数本の刃物を持ち替えるものなのだろう。
奥深くとても面白い体験をさせて頂いた。
工房が完成した暁には、真っ先に轆轤を自作して試行錯誤しながら自分の器や皿を挽いてみたい。
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